園田競馬場のコース特徴やレース傾向を徹底分析!
今回は園田競馬場の特徴についてお話したいと思います。
兵庫県尼崎市にあり、日本国内で最も小さな競馬場である園田競馬場。
本記事ではそんな園田競馬場の特徴から、開催されるダートグレード競争で押さえておきたいポイント、アクセス方法等について詳しくご紹介していきます。
まずは園田競馬場の特徴から見ていきましょう。
1968年11月1日生まれ。慶應義塾大学卒業。
某スポーツ新聞の競馬面を16年担当。その後、独立してフリーのライターとして活動中。競馬だけではなく、競艇・競輪関連の記事やコラムを執筆する。
競馬歴27年・競艇歴30年・競輪歴25年。趣味は海外旅行。年間10回以上は海外へ。
競艇予想サイト解体新書では全体の監修・コラムの執筆を担当。
著書『解体新書〜競馬・競艇・競輪を極めた男の13の法則〜』を出版予定。
目次
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園田競馬場の特徴について
園田競馬場は近隣競馬場との交流が南関競馬や東海ほど多くなく、重賞やJRA交流レース以外では兵庫所属の馬しか出走しません。
1周1051mの右回りで6種類の距離のレースが設定されており、コースカーブもきつめに設定されています。
2018年には、地方競馬場で最もレース数が多い競馬場となっていて「園田競馬場を制すものは地方競馬を制する」とも言われるほど。
そんな園田競馬場が他の競馬場と異なる点について詳しく見ていきましょう。
地方競馬場の中で1周の距離が最短!?
まずは園田競馬場の詳細から確認していきます。
データ名 | 詳細 |
---|---|
回り | 右回りコース |
1周距離 | 1051m |
直線距離 | 250m |
幅員 | 20~24m |
高低差 | 1.23m |
フルゲート | 12頭 |
園田競馬場は1周1051mとかなりコンパクトな作りが特徴的で、ばんえい競馬専用の帯広競馬場を除けば日本で最も短いコースとなります。
1周が短いということはカーブを走る距離が長くなるということで、スピードが出にくくなる印象。
テクニカルなコースも多く、園田競馬場に慣れていない馬や騎手にとっては非常に難しいコースの作りとなっています。
スパイラルカーブと高低差に要注意
スパイラルカーブとは入り口が緩く、出口がキツく設定されたカーブのことです。
園田競馬場ではコーナーにスパイラルカーブを設定しており、特に3コーナーの付近で大きく外に膨らんでいます。
その影響からか、先行馬がペースを上げればキツくなるコーナー出口で外に振られ、インが空き差し馬が飛び込んでくるようなレース多い印象。
よって、この3コーナーが勝負のカギを握るので、どの馬がどのような動きをするかイメージしておくと的中率が上がっていくでしょう。
また、向正面から3コーナーにかけては高低差1.23mの坂があります。
コーナーよりの部分にかなり深く砂が盛られており、騎手もこのことを熟知しているため、園田競馬場では最も内側は誰も走らず、コーナーから若干離れて走るということも覚えておきましょう。
中途半端な距離のコースが多い
1周距離が1051mと中途半端な距離なのに加えて、レースの距離設定も820・1230・1870mといった独特な距離になっています。
理由としては、1991年に1周1100mにコースを改修する予定だったものの、3コーナー奥の森林には手がつけられないことが発覚し、改修を断念したことが原因でしょう。
その後、できるだけの距離を確保したものの、キリのいい距離設定ができず、中途半端な距離ばかりのコースとなりました。
この中途半端な距離設定によって、園田競馬場での予想は他の競馬場で培った知識を活かしづらいと言われています。
園田競馬場特徴まとめ
ここまで紹介してきた園田競馬場の特徴を振り返っていきましょう。
- 1周距離が日本で1番短い
- スパイラルカーブでスピードが出しにくい
- 高低差1.23mの坂がある
- 独特な距離設定のコースが多い
以上が園田競馬場の特徴になります。
他の競馬場に比べて1周距離が短く、高低差1.23mの坂があることが最大の特徴となっていました。
この特徴を押さえておくだけで、今までとは一味違った予想をすることができるはずです。
園田競馬場で好成績を残しているプロの競馬予想をご紹介!
コースの距離毎の特徴に入る前に・・・
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園田競馬場で開催されるコース毎の特徴
日々多くのレースが開催されている園田競馬場。
そんな園田競馬場では、ダートで6種類の距離のレースが行われます。
距離や周り方が変わることで、スタート位置が変わるだけでなく特徴も異なるため、下記で紹介する特徴は必ず押さえておきましょう。
園田ダート820m
脚質 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|
逃げ | 65.8% | 86.1% |
先行 | 5.6% | 41.5% |
差し | 0.0% | 12.5% |
追い込み | 0.0% | 0.0% |
向正面2コーナー奥のポケットからスタートし、コースを半周する園田ダート820m。
2歳新馬戦や園田スプリントなどの限られたレースでしか使用されません。
枠の内外に関しては、そこまで有利不利がない印象。
超短距離戦なので、先行力・スピード重視の予想をおすすめします。
園田ダート1230m
脚質 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|
逃げ | 35.3% | 62.6% |
先行 | 11.8% | 37.0% |
差し | 4.9% | 19.6% |
追い込み | 3.1% | 12.8% |
メインスタンド前4コーナー出口からスタートし、コースを1周する園田1230m。
最初の1コーナーまでの距離が207mと短く、ここでの位置取りが勝負のカギを握ります。
コーナーを4度通過するコースのため、コーナリングの器用さが求められる印象。
スピードを出せる場面も少なく、差しが届きづらいため逃げ・先行馬が有利となるでしょう。
園田ダート1400m
脚質 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|
逃げ | 32.4% | 58.0% |
先行 | 12.5% | 39.4% |
差し | 4.5% | 19.2% |
追い込み | 2.2% | 11.7% |
4コーナー奥のポケットからスタートし、コースを1周してスタンド左側でゴールする園田ダート1400m。
園田競馬場で開催されるレースのうちの約8割がこの1400mでのレースとなっています。
最初のコーナーまでが377mと十分な距離があるため、序盤はペースが落ち着く印象。
ペースが落ち着けば先行馬有利ですが、外枠に先行馬が多い時にはハイペースになるので、3コーナーの膨らみを利用して仕掛けられる差し馬が台頭することも頭に入れておきましょう。
園田ダート1700m
脚質 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|
逃げ | 17.3% | 37.4% |
先行 | 11.2% | 41.2% |
差し | 10.7% | 29.5% |
追い込み | 0.0% | 2.7% |
向正面中ほどからスタートし、コースを1周半する園田ダート1700m。
スタート直後に3コーナーがあるため、先行争いに注目が集まるコースとなっています。
特に内枠の馬はそこまで加速できないコースでやや外枠が有利な印象。
コースを1周半するので仕掛けどころも多く、差し馬が十分活躍できるコースと言えるでしょう。
園田ダート1870m
脚質 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|
逃げ | 27.0% | 48.3% |
先行 | 14.8% | 45.8% |
差し | 3.3% | 20.1% |
追い込み | 4.9% | 9.5% |
2コーナー終わりからスタートし、コースを1周してスタンド左奥でゴールする園田ダート1870m。
主に上級戦や重賞で使用されるコースとなっています。
コーナーが6回ありペースも上がらず、最後の直線も短いので、差し・追い込みに向いたコースではなく、逃げ・先行馬が有利となりやすい印象。
予想の際には、無難に内枠の逃げ・先行馬を買い目に含めておくといいでしょう。
園田ダート2400m
※データが少ないため過去10年の六甲盃を参考に表を作成しています脚質 | 逃げ | 先行 | 差し | 追込 |
---|---|---|---|---|
1着 | 2回 | 5回 | 1回 | 1回 |
2着 | 2回 | 6回 | 1回 | 0回 |
3着 | 1回 | 2回 | 5回 | 1回 |
4コーナーポケットからスタートし、コースを2周する園田ダート2400m。
主に六甲盃のみで使用され、園田競馬場の中では最長距離となっています。
長距離戦かつ最初のコーナーまでが長いので、序盤から落ち着いたペースになる印象。
中盤の展開次第ですが、基本的には枠を問わず先行馬が活躍するコースといえるでしょう。
園田競馬場コース特徴まとめ
ここまで園田競馬場で開催されるコース距離毎の特徴をご紹介してきました。
特徴一覧はこちら。
- 820m:短距離戦なので先行力・スピードを重視
- 1230m:最初のコーナーまでの位置取りがカギ
- 1400m : 園田競馬場のレースの8割が開催される
- 1700m : 差し馬の活躍も頭に入れておく
- 1870m:逃げ。先行馬が有利
- 2400m:内外問わず先行馬が活躍する
以上が園田競馬場で開催されるコースの特徴です。
コースの距離によって特徴が変わるのはご理解いただけたでしょうか?
それぞれの距離ごとに様々なレースが開催されるため、押さえておいて損はないはずです。
園田競馬場でのレースが開催される際はこの記事を読み返しておきましょう。
園田競馬場で開催されるダートグレード競走一覧(2024年版)
日々様々なレースが開催され盛り上がりを見せる園田競馬場。
ここからは注目のダートグレード競走についてご紹介します。
まずは、2024年に開催されるダートグレード競争一覧を確認していきましょう。
- 4月4日:兵庫女王盃(Jpn3)
- 4月29日:兵庫チャンピオンシップ(Jpn2)
- 11月21日:兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)
- 12月25日:兵庫ゴールドトロフィー(Jpn3)
2024年に園田競馬場で開催されるダートグレード競争は4回。
平場や重賞レースよりもレベルの高い戦いを見ることができ多くの注目が集まります。
今回は、そんなダートグレード競争について「予想をするにあたり押さえておきたいポイント」をご紹介したいと思います。
兵庫女王盃(Jpn3)
- コース:園田ダート1870m
- 対象馬:サラ系4歳以上
- 最高配当(3連単):9973.8倍
- 最低配当(3連単):9.9倍
- 平均配当(3連単):1156.3倍
23年まではTCK女王盃として大井1,800mで開催されていた本レース。
古馬牝馬路線調整の一環で、24年からは園田1870mに舞台を移して開催されます。
レース傾向としては、2019年に大荒れの結果となったことで、3連単の平均配当が上がっていますが全体的には固い決着になりやすいです。
また、過去10年の勝ち馬は全て中央所属馬。
今年から園田競馬に移りますが、基本的には中央所属馬を中心に馬券を組み立てることをオススメします。
兵庫チャンピオンシップ(Jpn2)
- コース:園田ダート1400m
- 対象馬:サラ系3歳
- 最高配当(3連単):289.7倍
- 最低配当(3連単):8.9倍
- 平均配当(3連単):75.0倍
24年より1,800mから1,400mに距離短縮された兵庫チャンピオンシップ。
地元兵庫所属馬にとっては、兵庫3冠のうちの2冠目として位置づけられています。
距離が変わったので、過去のデータはそこまで当てになりませんが・・・
レースとしては先行力もしくは道中で位置を押し上げられる機動力がある馬が勝ちきる印象。
勝ち馬の3コーナー通過順を見ても、ほとんどが3番手以内に付けており、最終4コーナーを周る頃には勝負が決していると言っても過言では無いでしょう。
過去20年間のレース結果を見ると地方所属馬が0勝と苦戦しているので、JRA所属馬を軸にした予想をおすすめします。
兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)
- コース:園田ダート1400m
- 対象馬:サラ系2歳
- 最高配当(3連単):6033.0倍
- 最低配当(3連単):11.9倍
- 平均配当(3連単):964.5倍
JRAでは2歳ダート上級戦が限られているため、年末の全日本2歳優駿(Jpn1)を目標とする馬にとって重要な役割を担う兵庫ジュニアグランプリ。
地元兵庫所属馬は未だ勝利を挙げておらず、苦戦しています。
波乱のイメージが強い一方で、1・2番人気が揃って馬券外になったことは過去20年で2度しかなく、無理な穴馬予想は禁物でしょう。
小回りコースのため、器用さが問われますが、イメージほど前に行く馬が有利では無い点には注意が必要です。
兵庫ゴールドトロフィー(Jpn3)
- コース:園田ダート1400m
- 対象馬:サラ系3歳以上
- 最高配当(3連単):1575.9倍
- 最低配当(3連単):18.5倍
- 平均配当(3連単):351.9倍
ダートスプリント戦線を締めくくる重要なレースとなっている兵庫ゴールドトロフィー。
レース展開としては、3コーナー時点で3番手以内に付けていないと勝ちを望むのは難しい印象。
それに加えて、近年ではスタートの速さを問われるため、1コーナーの入り方が勝負のカギとなるケースも増えています。
枠順としては3枠が勝率・連対率・複勝率の全てで最高値を記録していることを頭に入れた予想をするといいでしょう。
園田競馬場で狙うべき勝率の高い騎手
※園田競馬場所属の騎手のみで作成したランキングになります
騎手名 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|
吉村智洋 | 1220回 | 27.2% | 48.5% |
下原理 | 1089回 | 17.3% | 31.0% |
田中学 | 785回 | 19.7% | 33.4% |
廣瀬航 | 1114回 | 12.7% | 24.5% |
鴨宮祥行 | 921回 | 10.4% | 23.0% |
杉浦健太 | 956回 | 9.6% | 20.0% |
田野豊三 | 708回 | 10.2% | 21.6% |
川原正一 | 470回 | 14.9% | 23.8% |
笹田知宏 | 484回 | 14.3% | 28.3% |
竹村達也 | 699回 | 9.6% | 20.7% |
2023年シーズンの園田競馬場で開催されたレースで最も勝率の高い園田競馬所属騎手は・・・
「吉村智洋騎手」となりました。
出走回数1220回に対して勝率27.2%、連対率48.5%と圧倒的な成績。
ここからは、吉村智洋騎手を含んだ園田競馬場で勝率の高い騎手3名をピックアップして詳細を確認していきましょう。
吉村智洋
- 生年月日:1984年12月26日(39歳)
- 出身:日本
- 勝利回数:3474勝
- 通算獲得賞金:37億2,693万円
兵庫所属騎手では史上初の1日7勝を記録した吉村智洋騎手。
勝率・連対率を見ても圧倒的な数字を残しており、園田競馬場のエース騎手といっていいでしょう。
2023年シーズンには通算3000勝も達成しています。
園田競馬場で吉村騎手が乗る馬がいれば馬券に絡んでくる可能性が高いので、注目しておくといいでしょう。
下原理
- 生年月日:1977年9月3日(46歳)
- 出身:日本
- 勝利回数:3722勝
- 獲得賞金:41億4,888万円
2023年5月に騎手通算3500勝を挙げた下原理騎手。
2016年には兵庫リーディング、2020年には重賞通算70勝の兵庫県最多タイ記録を樹立しています。
年齢は45歳でベテラン騎手ですが、成績は若い選手と比べても劣っていないので通算4000勝も期待出来るでしょう。
田中学
- 生年月日:1973年9月25日(50歳)
- 出身:日本
- 勝利回数:4745勝
- 獲得賞金:48億275万円
2024年で50歳のシーズンを迎える田中学騎手。
父・田中道夫調教師は兵庫で14連続リーディングを獲り、通算3146勝を挙げた「園田の帝王」としても有名です。
2014年には日本初の親子で通算3000勝も達成しています。
ベテランならではの技を活かしながら、通算5000勝を目指しこれからも現役を続けていくようなので園田競馬で田中学騎手が乗る馬がいるレースには注目しておきましょう。
園田競馬場の施設案内とアクセス方法について
施設案内
食堂やフードコートが充実しており、食事を目当てに来場する方も多いようです。
また、パドックや本馬場ともに競走馬との距離が近く、抜群の臨場感で競馬を楽しむことが可能となっています。
園田競馬場のアクセス方法について
ここまで園田競馬場の特徴や施設を見てきました。
続いて見ていくのは園田競馬場のアクセス方法です。
- 阪急電鉄:「園田」駅下車、西口専用バス乗り場(無料)
- 阪神電鉄:「尼崎」駅下車、北口阪急バス5番のりば(無料)
- JR:「尼崎」駅下車、南側バスターミナル(無料)
- 阪神電鉄:「園田」駅北バス停20・21・22系で「競馬場」下車(有料:210円)
園田競馬場に訪れる方法は「バス」「車」の2種類。
上記の駅から無料送迎バスが運行しているので、バスの利用おすすめします。
車でアクセスする方は駐車できる台数に限りがあるので注意が必要です。
駐車台数の上限は1150台で、レース後半につれて訪れる人が増えるため、車でアクセスする方は早めに行くことをオススメします。
駐車料金は1000円かかるため車で園田競馬場に行く方は覚えておきましょう。
また、大阪中心部や伊丹空港からのアクセスもいいので、全国の競馬ファンにとっても遠征しやすい競馬場と言えるでしょう。
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